《犬の種類》愛嬌のある顔に丸太のような体『妖精の犬』「コーギー」(Corgi)

《犬の種類》愛嬌のある顔に丸太のような体『妖精の犬』「コーギー」(Corgi)

胴長短足で丸太のような可愛い見た目で、イギリスのセレブの御用達のコーギー。

そんなコーギーにも、奥が深い歴史と大きく2種類のコーギーがありました。

《犬(コーギー)のデータ》

「コーギー(英名:Corgi)」はイギリス原産の中型犬種です。

  • 英語表記 : Corgi
  • 原産国 : イギリス
  • サイズ : 中型犬

名前の「ウェルシュ」はイギリスのウェールズ地方のことを指しています。

《コーギーの歴史(ルーツ)》

コーギーはイギリスのウェールズ地方で家畜の牛追いの牧畜犬であり、コーギーは、牛の足を噛んで群れを誘導したされいます。

牛や羊に尻尾を踏まれて怪我を負ってしまわないように、生まれてすぐに断尾されてきました。

1925年~1934年ごろ、コーギーは一つの犬種と扱われ、お互いの間で交配が盛んに行われていました。

※【後述】コーギーは(ウェルシュ・コーギー・カーディガン)と(ウェルシュ・コーギー・ペンブローク)の2種類存在します。

1933年にはジョージ6世がコーギーを飼っていることきっかけに知名度が上がります。

※当時はまだ一つの犬種として扱われていた時代でした。

1935年にアメリカのケネルクラブがコーギーを(ウェルシュ・コーギー・カーディガン)と(ウェルシュ・コーギー・ペンブローク)に別々の犬種として登録しました。

2000年代にはいるとコーギーがドッグショーに登場します。

世に出たコーギーは、品質改良が繰りかえされて現在のコーギーが誕生したといわれています。

やがて王族の目にとまり、牧羊犬として活躍していたコーギーは王室で飼育されるほどの犬になり、ジョージ6世やエリザベス2世にとても可愛がられていたため、たちまち世界中で人気の犬種となります。

人気犬種となったのは、イギリス女王エリザベス2世が飼っていたウェルシュ・コーギー・ペンブロークの方でした。

《コーギーの特徴》

胴長短足でふっくらした体型は、丸太のようにも見え、笑ったような表情がとても愛らしくとても癒されますね!

体高が低く小型犬のイメージがあるかもしれませんが、中型犬種です。
コーギーは体高に比べて体長が長く筋肉質です。

また、牧羊犬で活躍していたためか、活発でスタミナがあり、人間ともうまく調和できます。

コーギー

《コーギーは2種類》

コーギーには「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク(Pembroke)」「ウェルシュ・コーギー・カーディガン(Cardigan)」が在しています。

コーギーが2種類に別れた経緯

イギリスのウェールズ原産で、形態・用途もほとんど同じですが、祖先や成り立ちは異なります。

当初は、同じ犬種として扱われていましたが、体の大きさ・毛色・尻尾がある・なしなどで、次第に同一犬種として統一していることが難しくなり、イギリスのケネルクラブは、1943年に別の犬種として登録されることになります。

ウェルシュ・コーギー・ペンブローク(Pembroke)

ウェールズのペンブロークシャー地方で誕生したのが「ウェルシュコーギーペンブローク」で、1107年ごろにチャネル諸島の職人が連れてきました。

ペンブロークは丸く尖った耳といくぶん低めの姿勢が特徴であり、ウェールズのペンブロークシャーにいたことで、その名がつきました。

現在のエリザベス女王2世もペンブロークをかわいがっています。

特に「ベンブローク」は、昔から断尾されてきましたが、動物愛護の観点から2007年にイギリスで断尾は禁止となりました。

そのため、「ペンブローク」らしさが失われたとされ、「ペンブローク」の繁殖自体をやめてしまった人が増えたため、一時絶滅の危機にまでになってしまいました。

日本でもよく見かけるのが、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの犬種となり、世界中で愛されています。

ウェルシュ・コーギー・カーディガン(Cardigan)

ウェールズのカーディガンシャーで誕生したのが「ウェルシュコーギーカーディガン」です。

カーディガン(Cardigan)の歴史は、ペンブロークよりも古く、紀元前1200年頃に中央アジアにいたケルト人がヨーロッパに持ち込んだとされています。

1925年ごろに、ウェールズ州の山間にあるカディガンシャーで飼育されていた犬知られるようになる。

これが現在の「ウェルシュ・コーギー・カーティガン」と呼ばれる犬種の先祖にあたります。

ウェルシュ・コーギー・カーディガンは、世界で見ると人気ですが、日本では珍しい犬種になっています。

「カーディガン」は、牧畜犬でしたが「ベンクローク」と違い、断尾の習慣がありませんでした。

日本で見かけるコーギーは?

ウェルシュ・コーギー・ペンブローク

同じように日本でも、「ペンブローク」と「カーディガン」と異なる犬種とされています。

日本で飼育されているコーギーの多くは「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」です。

「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」はほとんど見かけることはありません。

JKCの登録数を見ると、「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」4,699頭、「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」69頭(2018年1月~12月現在)と差は歴然です。

コーギーの断尾について

「ペンブローク」は、牧畜犬として活躍するために断尾する習慣がありましたが、「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」には、その定説は存在していません。

2007年には動物愛護の観点からイギリスでも断尾は禁止されるようになりました。

そのため、「断尾」で定着していた「ペンブローク」は、断尾されているのが普通のイメージから、イギリスでは繁殖をやめるブリーダーが増えたと言われています。

昨今でも日本では、慣習的に断尾が行われていますが、尻尾のある「ペンブローク」も増えてきています。

《ベンブロークとカーディガンの違い》

最近では尻尾を断尾していないコーギーも増えてきており、尻尾のある・なしで違いを見極めるのではなく、尻尾の特徴はやはりそれぞれあります。

ウェルシュ・コーギー・ベンブローク

尻尾が短く、耳が丸いことが特徴。

  • 体高25~30cm・体重10kg前後
  • カーディガンより、小柄の印象がある。
  • カーディガンより、耳が小さい。
  • しっぽは短い

毛色は白と茶色のミックス、レッド、セーブル、フォーン、ブラック&タンで、ブリンドルは認められていない。

カーディガンに比べ、興奮しやすくて、落ち着きがないといわれています。

※個人的な印象としては、カワイイ感じのイメージです。

ウェルシュ・コーギー・カーディガン

ペンブロークとの一番の違いは、尻尾が長いという特徴があります。

  • 体高27~32cm・体重11~17kg
  • 骨太でがっちりした体型。
  • ベンブロークより耳が大きく尖っている。
  • 毛色は豊富で、ブラック&ホワイト、ブリンドル&ホワイトで、ブリンドルは認められている。
  • 尻尾がキツネのようにフサフサと長い。

※個人的な印象としては、シュッとしててかっこいい感じのイメージです。

《コーギーの大きさ(サイズ)》

体高 :30cm程
体重 :8~18kg

コーギー

《コーギーの被毛、毛色(何色・何色)について》

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの毛色

以下の毛色に限ります。

  • 白と茶色のミックスが多いレッド
  • セーブル
  • フォーン
  • ブラック・アンド・タン

ウェルシュ・コーギー・カーディガンの毛色

さまざま色があります。

  • レッド
  • フォーン
  • セーブル
  • ブラック&タン

など

《コーギーの性格》

コーギーは喜怒哀楽がはっきりしており、表情が非常に豊かです。

そのため、コミュニケーションは比較的取りやすいほうと言えます。

また、好奇心旺盛で明るく社交的です。物覚えもよくてとても賢く、飼い主には従順で様子をよく見ています。

《コーギーの飼い方や日々のケアについて》

基本的には、カーディガンとペンブロークで、飼い方の大きな違いはありません。

コーギーは牧畜犬だった歴史から、運動量は大型犬並みにあると言われています。

運動神経が抜群で、遊びが好きなため、たっぷりと運動が必要になります。

さらに、飼う主と常に一緒にいたがり、毎日しっかりとコミュニケーションをとることが必要になります。

ただし、体型から椎間板ヘルニアのリスクを伴うため、ジャンプなどの足腰に影響のある激しいスポ―ツなどは避けましょう。

好奇心旺盛だったり、運動不足だったりすると、ストレスがたまりいたずらしてしまうことがあります。

また、吠える声は大きいので、マンションなど都心部の場合は、防音を気にした方がよさそうですが、牧畜犬だった歴史から、吠えるなというのは厳しく負担になるかもしれません。

そのため、コーギーを飼うときは、環境などもよく検討してみることをおすすめします。

日々のケアについて

コーギーは、ダブルコートで抜け毛が非常に多く、毎日ブラッシングする必要があります。

特に換毛期は覚悟しておきましょう。

厚い毛並は夏になると、熱がこもりやすく熱中症を起こしやすくなりますので、温度管理や暑さ対策は必要となります。

《コーギーの散歩や運動について》

しっかり運動量を確保してあげましょう!

コーギーは牧羊犬の歴史があったので、大型犬並みの体力があります。

また、運動不足はストレスの原因となり問題行動を起こしてしまう要因となります。

散歩は1日に2回は連れていってあげましょう。

《コーギーの気を付けたい怪我、病気》

コーギーは短足胴長の犬種のため、ダックスフンドになどと同じような「ヘルニア」などが代表的なものに気を付ける必要があります。

  • 椎間板ヘルニア
    • 長い胴を支えるために、背骨に負担をかけてしまっていることが原因となります。
  • 股関節形成不全
  • 変性性脊髄症
  • 進行性網膜萎縮症

いつもと様子が違う場合は、病院に相談しましょう。

  • 歩き方に違和感がある。
  • 歩いているときにふらついていないか
  • 排便の時、普段に比べ苦しそうにしていないか
  • 起き上がるとき辛そう
  • 腰あたりを触ると嫌がる

コーギーの平均寿命

寿命:13年前後

コーギーの寿命は13年前後で一般的な犬の平均寿命と同じぐらいです。

《コーギーの値段・価格帯》

コーギーの相場価格は、10万円~20万円程度

血統・顔・毛色・体の大きさや月齢などで変化します。

コーギー

《コーギーについてのまとめ》

いかがだったでしょうか?

コーギーは可愛い見た目から、人気がある犬種の一つですね。

掘り起こして調べていくと、とても深い歴史や過去をもっていて感慨深くなりました。

飼うときに気を付けなければいけないのは、体力がかなりあり、運動量が必要なので運動量を確保する必要がある。

もとは牧羊犬のため、声が大きく吠えることを仕事にしてきたので、吠えるなというしつけはコーギーにとってはストレスかも。

胴長短足のため、肥満には気を付けましょう。

元は牧羊犬で次第に愛玩犬と変化していったんですね!

参考になると幸いです。

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