《犬に牛乳を与えても大丈夫?》犬に牛乳を与える事について調べました
私たちにとって、牛乳は切り離せない存在だと思います。
犬に牛乳を与えたら下痢になるとかいろいろ聞いた事はありますが、実際のところはどうなんでしょうか?
調べてみました。
《犬に牛乳を与えても大丈夫?》
答えは△
犬に牛乳をあたえる場合は、少量にとどめておきましょう。
また、基本的に成犬に限ります。
いろいろ調べていると、与えてもよい(推奨)と与えてはいけない(非推奨)があり、見解が様々であることも特徴的でしたが、問題が多いのも事実のようでした。
基本的に下痢をしてしまいやすいので、薄めるなどの工夫が必要です。
- 少しであれば大丈夫
- 成犬であれば大丈夫
- 子犬と老犬に対しては、与えない方がよい
となります。
《犬が牛乳を食べる時の良い点(メリット)》
栄養がかなり豊富
牛乳には、タンパク質、カルシウム、アミノ酸をはじめとする栄養素が、かなり豊富です。
そして、腸内環境を整えてくれる効果があるのは有名ですが、それは、犬にも同じ恩恵を受ける事ができます。
また、水分補給にもなります。
《牛乳に含まれる栄養素》
改めて見直してみると、本当に牛乳は栄養の宝庫ですね!
ただし、ドッグフードで十分栄養摂取できているので、栄養過多になる可能性をあるということを、慎重に考えなければいけません。
- タンパク質
- 三大栄養素であり、不足してしまうと、免疫力の低下や被毛や皮膚のトラブルや精神の不安定など、いろいろな症状を引き起こしてしまいます。
- 鉄分
- 体内に取り込まれた血中酸素の運搬を促してくれる効果があります。
- 鉄分が不足してしまうと、貧血などの症状の原因になってしまいます。
- 銅
- ★貧血を予防する効果
- 赤血球を作り出すときに鉄が活躍しますが、その効果を助けてくれる効果が銅にはあります。
- 銅には、抗菌・抗ウイルスの効果があり、体内の免疫力向上に一役買ってくれます。
- 皮膚や被毛の健康を維持する効果があります。
- 炭水化物(糖質)
- 糖質として体内で消化吸収されます。
- 犬は人に比べて吸収しやすいようです。
- ナトリウム
- 栄養素の吸収を促進し血圧を調整する働きがあります。
- リン
- 人間や犬など、ありとあらゆる生物に必須のミネラルです。
- 主に歯や骨、神経や筋肉等を正常に保つための大切な成分です。
- 葉酸(貧血の予防に!)(水溶性:水に溶ける)
- 妊娠期や成長期に必要な葉酸を多く含む事で母胎や体に良い
- 体内の細胞の成長をサポートする効果があります。脳や脊髄などの発育不全も防ぐ効果があります。
- マグネシウム(摂取しすぎ厳禁)
- 体内の細胞や骨にある酵素を活発にしてくれる効果があり、エネルギー代謝や血液を健康に維持する役割がありますが、
- 摂取しすぎると結石などの原因になってしまいますので注意してください。
- ビタミンA
- ★目の病気や老化防止、抗がん作用
- 皮膚・被毛を健康的に保つ働きが期待できます。また、白内障の予防や角膜の健康維持や造血効果があるので、目の健康状態を保つことも期待できるようです。
- ビタミンC(水に溶ける)
- 犬の老化の予防や抗がん作用があります。また、シニア犬や弱っている犬など、さらに必要になるため、食べ物から取り入れることが推奨される場合もあります。
- 犬は私たちとは違い、自分の体内で産生が可能。
- ビタミンD(脂溶性)
- 骨、皮膚、精神などの健康状態を維持する補助栄養素です。
- カルシウムのバランスを整えて、骨を丈夫に保つ効果があります。また、メンタルの症状にも効果があり、精神のバランスを調整してくれる効果もあります。
- ビタミンE
- 血管や細胞を保護する役割があり、血流を改善します。
- シニア犬や体の弱い犬に取り入れさせたい成分です。
- 脂溶性のため、水には溶けません。
- ビタミンK(脂溶性)
- ★骨を元気にする、血を固める補助効果
- 骨を丈夫に保つ効果があり、骨の形成に欠かせない成分です。
- 特にシニア犬には有効です。
- ビタミンB1(水に溶けやすい)
- ダイエット、皮膚・粘膜を強くしてくれる効果があり、エネルギーを産生するお手伝いをする効果がある成分です。ただし、摂取しすぎると、脚気の原因になってしまいます。
- ビタミンB2(水に溶けやすい)
- 被毛、粘膜、皮膚の状態を正常に保つ補助効果があり、老化防止や発育にはとても大切となる栄養分です。さらに、脂肪の燃焼を助けてエネルギーを作り出してくれる働きがありますので、疲れを改善してくれる役割があります。
- ビタミンB3:ナイアシン
- この栄養素が不足してしまうと、色々な健康障害を引き出してしまいます。
- 糖分・脂質などを分解して、エネルギーを作り出します。また、血液の循環を促進する効果があるため、肌や被毛の健康を保持する効果があります。
- ビタミンB6(水に溶けやすい)
- さまざまな成分の補助効果があり、健全な身体を作るためのな成分です。
- いろいろな成分の補助効果を促しているため、不足すると皮膚や粘膜に異常を起こしてしまいます。
- ビタミンB12(水に溶けやすい)
- いろいろな神経細胞の正常に維持するために効果があり、集中力や記憶力、腰痛・肩こりの改善に効果があります。また、赤血球を産生してくれる働きがあります。
- カリウム(熱に弱い)
- ★利尿作用
- 体内の不要な塩分を排出します。
- 脱水症状になると、水分と一緒にカリウムなどのミネラルも失くすため、水分摂取だけではなくカリウムの摂取も欠かせません。
- 風邪や動脈硬化の予防にもなります。
- 与えすぎると、高カリウム血症などの原因になってしまいますので注意してください。
- カルシウム
- 骨や歯の生成を助ける働きや健康を保つための成分として、非常に大切な成分として有名ですよね。また、精神や筋肉を正常に保つ効果があり、生きていく中でとても重要な成分です。犬に関しても、同じような事がいえます。
- 亜鉛
- 皮膚や粘膜など、免疫機能の向上や体の健康を維持など、とても重要な成分です。また、抗体の生産性を勝製菓させ、健康のための免疫機能を高めるのに必要とされる栄養素です。
- 犬は、人より亜鉛が重要で、サプリメントもある程です。
《犬が牛乳を食べる時の悪い点(デメリット)》
乳糖が下痢を起こす原因です。
牛乳には「乳糖」含まれていますが、犬はその乳糖を分解する能力が人間に比べて苦手とされています。
乳糖が十分に分解されないまま、腸内に到達してしまうので、消化不良や下痢の症状になります。
牛乳を与えた事で「下痢」をするようであれば、体質に合っていない(アレルギー・ラクターゼが少ない)事が考えられるので、与える事をやめておきましょう。
牛乳は高カロリー
牛乳は犬にとってカロリーの高い飲み物です。
食事との組み合わせを考えてあげないと、すぐにカロリーの摂取しすぎになってしまいます。
※100gあたり66.9kcal
栄養過多
基本的にドッグフードは総合栄養食のため、愛犬に必要な栄養素は摂取できます。
牛乳は栄養が豊富なため、あたえすぎるとかえって栄養のバランスを崩してしまい、肥満をはじめさまざまな影響がでてくることも考えられます。
そのため、十分に考えた上で与えるようにしましょう。
《なぜ牛乳を犬にオススメできないのか》
乳糖に注意
「犬は牛乳を飲むと下痢をする」と、よく言われます。
その原因は「乳糖」によるもので、犬は人間と違って「乳糖」の分解に必要な消化酵素の保有量が少ないため、乳糖が十分に分解されないまま「消化器官」の中に残ってしまうので、消化不良や下痢の症状になります。
牛乳を与えた事で「下痢」をするようであれば、体質に合っていない(アレルギー・ラクターゼが少ない)事が考えられるので、与える事はオススメできません。
症状として、下痢や嘔吐・軟便・血便・腹痛の症状等を起こしてしまいます。
ただし、少量であれば特に心配する必要はありません。
子犬
基本的に犬乳とは成分が異なることを理解しておきましょう。
そのため、子犬に犬乳の代わりに牛乳を飲ませても、必要な栄養素をまかなうことができません(人間の粉ミルクも同様)。哺乳中の子犬であれば、犬用(ペット用のミルク)を与えましょう。
さらに、子犬は「乳糖」の分解に必要な消化酵素の保有量が少ないため、お腹を壊しやすくなります。
シニア犬
老化によって「乳糖」の分解に必要な消化酵素の保有量が減少していきます。
さらに、腎臓も弱ってくるので、体に負担がかかってしまいます。
《犬に牛乳を与える時の食べさせ方や調理方法》
まずは、特に子犬に与える場合は、人間用の牛乳ではなく「犬用(ペット用)のミルク」をオススメします。
もしくは、低脂肪牛乳・脱脂粉乳を選ぶのも脂肪分を抑えるので肥満を防ぐ効果があります。
単純に牛乳を飲ませるのではなく、ミルクスープのようにトッピングとして与えることも有効です。
初めて牛乳をあたえる時は、体質の問題もあるため、少しずつ与えて様子を見るようにしましょう。
おすすめの牛乳
- 犬用(ペット用のミルク)
- 人間用の牛乳に含まれている、下痢の原因になる乳糖が削減されていたり、ペット用に必要な栄養素が多く含まれており、安心して与えることができます。
- ホームセンターやペットショップで売られていますので、比較的か手軽に手に入ります。
- 山羊ミルク
- 犬・猫用として、ペットのミルクとしても最適です。
- 成分の特徴から、犬が飲んでも下痢やアレルギー症状を起こしづらい飲みものとなります。
- 子犬・シニア犬共に有効です。
- 人間用の牛乳よりも、ビタミン・カルシウムなどの栄養素が豊富に含まれています。
- お店ではあまり売られていないので、ネット購入するほうが手に入りやすいでしょう。
加熱する
牛乳を温めてから飲ませることで、胃腸への負担はかなり軽減できます。
さらに乳糖を分解させる酵素も活発化させる効果があります。
40~50度くらいに温めて飲ませるのも効果が期待できます。
牛乳を水で薄める。
牛乳を水で薄めるのも、下痢を起こしにくくなる有効な方法になります。
目安は、牛乳の倍以上の量で薄めるイメージです。
少しずつ飲ませましょう
勢いよく飲ませるのではなく、少しずつ与えることで、乳糖を分解しやすくなり、下痢を起こしにくくする効果があるようです。
また、毎日に少しずつ飲ませることも、ラクターゼを増加させることができるようです。
冷たい状態はオススメできません。
人間用の牛乳は基本的に冷蔵庫に冷やしていると思いますが、冷蔵庫から出した直後の冷えた牛乳は与えない方が好ましいです。
温めるのがおすすめですが、せめて常温までには戻しておきましょう。
加工品について
与えてもよい加工品
チーズ・ヨーグルトは乳糖が分解されているので、与えても問題ありません。
関連記事:
・《犬が食べても大丈夫?》犬にヨーグルトを与える事について調べました
オススメしない加工品
生クリーム・アイスクリームは、牛乳が豊富に含まれるため、注意が必要です。
フルーツ牛乳・イチゴ牛乳はオススメしません。
また、コーヒー牛乳やチョコレート牛乳は問題外です!
一日にあたえる目安の量
調べてみると、平均的に以下の通りになります。
併せて愛犬の健康状態・栄養摂取状況などを含め、総合的に配慮してあげましょう。
- 小型犬(5kg)… コップ1/4(50ml)程度
- 中型犬(10kg)… コップ半分(100ml~150ml)程度
- 大型犬(20kg)… コップ1杯程度(200ml)程度
《犬のアレルギーについて》
牛乳に含まれるたんぱく質に対してのアレルギー反応は比較的みられます。
症状として、以下の症状が多く見られます。
※乳糖不耐症とは別モノです。
- 下痢
- 嘔吐
- 発疹
- 脱毛
- 痒み
初めて与える時は少量ずつ与え、少しでも様子がおかしいと感じたら与えるのをやめて、獣医さんに相談しましょう。
《犬に牛乳を与える場合のまとめ》
いかがでしたか?
いろいろ諸説がありましたが、総じて言うと「少しなら大丈夫」結論に至りました。
ただ、愛犬の体調や体質によるものが大きいので、買主さんが正しい知識を身に着けて、愛犬の健康を守っていきたいですね!
少しでも参考になれることができたのであれば幸いです。